天窓はお国柄を語る。~ベルックスの天窓交換から

築28年のHさんの家では、ただ今外部塗装の工事を行っています。前回は14年前程とのことですので、理想的なスパンでメンテナンスを行われてきました。

 

今回はこの先を考えて、少し大がかりなご希望。天窓が6本あるなかで、室内に面する5本を交換する、という作業がありました。

 

天窓交換はなかなかリスクのある作業ですので、いろいろなケースをシミュレーションして、一日に2本、3日かけて丁寧に作業することに。幸いにしてメーカーはベルックスで同じだったこともあり、開口サイズは同じことから、下地からの大がかりな変更がないことは幸いでした。

 

天窓まわりの屋根をはがし、天窓入れ替え、そして防水性を高めた上で天窓設置し、屋根復旧。言葉にすると簡単ですが、やってみて考えることも多く、そして一度天窓を剥がしてからの出来ません、は許されないので、かなかな緊張の続く作業でしたが、結果、イメージ以上にうまく進み、雨風もなく、5本を無事交換できました。

 

この後、塗装業者さんにバトンタッチ、屋根塗装へと進んでいきます。

 

ところで、弊社にとっても初めての天窓交換ということもあり、ベルックスの担当者にも何度か見て頂きながらの作業でしたが、その際のお話が興味深いものがありました。

 

ベルックスは北欧デンマークの会社、そこから世界に出荷していますが、台風や雨の多い日本で特に基準が厳しいのは水密試験、つまり窓からの雨漏りです。

 

この基準がデンマークよりも日本が厳しく、当初はなかなか日本基準が伝わらなかったそうですが、現在のモデルは厳しい日本基準が採用され、製品のスタンダードとなったとのことです。

 

またガラスにもお国柄があり、日本では防火基準により天窓ガラスに網入りが要求されることがありますが、このガラスがデンマークの会社ではつくることができないそうで、日本のガラスメーカーが大判をつくり、船便でデンマークに送り、日本の網入りガラスの天窓がつくられていることを知りました。

 

ちなみに、同じベルックスのモデルでも、ガラスが5層ある国があります。正解は・・・イタリア。こちらは防犯とのことです。天窓ひとつで世界を知ることができる、そんなことを感じた作業でした。

 

20201123 仙台発イチゴイチエのいえづくり

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