about us 住文舎について

 

住文舎の家づくりの考え方をご理解いただけるよう、当社にご依頼いただいたお客様からのインタビュー内容を以下に掲載いたします。ぜひご覧ください。

 

 

 

 

 

―住文舎の家づくりについて、大切に考えている点は何ですか。

 

家づくりの軸をお客様とともに見つけることです。そのためには最初の頃のヒアリングがとても大事です。家を建てようと考えられた理由は様々ですが、その中に潜んでいる「どうしても譲れないもの」をお客様とともに見つけていきます。

 

ヒアリングでは、お客様が描いている漠然としたイメージから、一見、家づくりに関係ないと思えるお話までお伺いします。例えば、趣味、夢、お子様への考え方、生い立ち、印象に残っている本、旅先でのエピソード、故郷の話、小さい頃なりたかった職業、等々、話のきっかけは様々です。

 

その会話の中で、優先順位を整理していきます。内容として形にできるものとできないものがありますが、お客様にとっての「家の骨格づくり」が大事な作業です。そのことが家づくりの軸になります。

 

そしてその軸を基準として、具体的な方法やプランを膨らませていきます。この方法ですと、お客様ご自身の中で、「これは要る、要らない、あるいは将来の宿題」というような、セレクトすることが楽しくなります。

 

一方、軸が決まらないと様々な情報をもとに「これは我が家に取り入れたい」という項目が多すぎてしまい、時間も予算もオーバーという結末が待っています。

 

「私たちの家に本当に必要なものはなんだろう?」 この問いは意外と当事者同士で話しをしても見つからないものです。第三者に話すことで、ご自身の中で腑に落ちれば、後は間違いなくワクワクしながら先に進んでいけます。

 

 

―お話の中から家づくりの軸を見つけられた例として、どのようなものがありましたか。

 

例えば、リノベーションを行った「うんていのある家」があります。こちらは増築と、もともとある家をリノベーションするという仕事でしたが、増築する部分には、かつて軒先にあった木のうんていを室内に設けて、子どもたちが時間や季節を気にせずトレーニングができるスペースとして拡幅しました。それとともに使っていないスペースの活用や全体の統一感としてリノベーションとなりましたが、家づくりの軸としては、ご両親が考えるお子さんの成長に対する気持ちがありました。子どもにはここまでやってあげたい。お母さん曰く「私も後悔したくない」とおっしゃっていました。その熱い思いも「うんてい」に乗せました。

 

 

 

他の例としては「花咲くラベンダードアの家」ですと、親子の関係や、住みたいエリアの考え方、この先のビジョンなどのお話から軸を探しました。ご家族と会話しているととても華やかな色が見えるような気がしていて、プランを考えるにあたり、テーマカラーを決めたいと思うようになりました。それがラベンダー色となりました。

 

 

―プランを考えるにあたってのポイントは何ですか。

 

もちろんその土地にかかる法律をチェックし、お客様の希望と予算を踏まえながらプランを考えますが、その上で特に重視しているのが、家の中の「見せ場」をイメージすることです。言い換えると「ハレとケ」を考えることに近いのかもしれません。完成し、いざ引っ越してしまうと、その見せ場も生活の一部になってしまいますが、お客様の友人が家に遊びにきた時に「これって注文住宅らしいね。」「こんなの見たことない!」と言われたりすると、多くの方が喜ばれます。見せ場はその家の顔づくりとも言えますね。またそういうポイントは、写真映えすることも多いです。

 

上記の例では、「うんていのある家」と言いながら、2階の子ども部屋にあっては、家族以外話題になりません。子どもたちにとって、ついトレーニングしたくなるような場所、そしてそれが食事したり、くつろいだりする場所のそばにあると、さりげなく目立つかな、と考えました。軒先にあったうんていはしっかり作ってありましたので、一旦分解して、磨き、再度塗り直ししました。屋外の時はウォールナット色でしたが、室内ということもあり、控えめなアクセントカラーとして、モスグリーンに塗りました。

 

「花咲くラベンダードアの家」は、プランを考えている中で、玄関を開けると正面にドアが目に入ることになりました。さらに玄関ホールより5段上がって1階フロアとなるため、仰ぎ見る先にドアが見えます。このドアが家の印象を決めるだろうと思い、次回打ち合わせまでにドアの色をお考えいただくことになりました。そして参考として見せて頂いた写真が、ラベンダー色の扉。さらにご家族の印象を加えて、花咲くラベンダードアの家、となったわけです。ちなみに玄関脇にある床下収納の小さい扉も、ラベンダー色と色調が同類のピンク色になりました。

 

 

 

 

家づくりの軸とは、ソフト面(アイデア)とハード面(具体化=見せ場)がありますが、それらは必ずしも一致するとは限りません。大事なことは、軸が決まると、それを際立たせるように他をまとめていくという感覚があり、最終的にはお客様が「我が家には〇〇がある」と思ってもらえれば大成功だと思っています。

 

 

―ホームページにある家づくりブログにテーマを設けているようですが。

 

家づくりブログとは、当社がお客様との打ち合わせや施工過程を当社のブログで継続的に発信しているものです。ブログの記事タイトルは毎回楽しく考えています。家づくりの軸がそのままブログ名になっているケースが多いでしょうか。例えば、お客様名のイニシャルや、その土地の名前をつけてもよいのですが、できればヒアリングで聞かせて頂いたお客様の「こだわり」が醸し出されるようなテーマにしたいと思っています。それが必ずしも家づくりのこだわりでなくてもよく、もっと広い意味で「唯一無二の私たちの家」が感じられるテーマになればと思っています。

―土地を所有していない場合、土地から探してもらえるのでしょうか。

 

土地が決まっていない方は、まずご希望の土地を見つけることから始まります。土地の情報は弊社でも準備ができますが、今までのケースを見ていると、お客様ご自身で探されてきた方が多かった印象です。やはり「この場所に住みたい」と思えるまでは、こちらが情報提供してもマイホーム熱が上がりません。土地の見つけ方はお伝えしますが、その中でお客様がいくつか候補をあげて頂ければ、その土地へのアドバイス(=土地選び)はできます。土地を見るとおおよその間取りは配置もイメージできますので、土地を決めるにあたって参考にしていただくこともあります。

 

 

―打ち合わせから工事までの流れを聞かせてください。

 

土地が決まった上での流れですが、まずはヒアリングを行い、間取りや概算見積りを出せるように進めていきます。そしてその作業と並行して行うのが、住宅ローンの仮審査です。家づくりは、土地購入、建築費用、諸経費など必要となる項目があります。その総額をつかんだ上で、お金をどう工面するか、を一緒に考えていきます。資金繰りは自己資金と融資が主な項目ですが、仮審査をパスしないことには、詳細な打ち合わせが進んでもキャンセルになってしまうとお互い大変です。そのためにも仮審査を通った上で詳細な打ち合わせへと進んでいきます。ヒアリングから数えるとおおよそ8回程度打ち合わせを重ね、正確な見積り提示を行い、契約となります。ここまでで約3~4ヶ月です。

 

 

 

契約のタイミングに合わせて、建築確認申請という許可申請を行います。無事、建築確認が下りると住宅ローンの融資実行、その後、いよいよ着工となります。工事は家の大きさや建築場所にもよりますが、約4~5ヶ月です。

 

 

―いざ工事が始まると、我が家を造っているとはいえ、工事現場にはなかなか入りにくいと思っています。見るとしても休日か夕方しか伺うチャンスがありませんし。

 

確かに、家を造っている作業には興味はあるものの、職人に声かけて中に入るのも勇気いりますね。また断熱工事や塗り壁工事など、物理的に中に入れない日もあります。そのためにも家づくりブログで情報発信し、お客様と共有することが大事だと思っています。工事中に目にすることができにくい作業風景を中心に書くようにしています。

 

ところで、職人たちは、佐藤邸、田中邸、などお客様名で呼ぶより、川平の家、などのように地名で呼ぶ方が多いです。決してお客様を無下にしているのではなく、彼らは必ず建てている場所に向かう方々だからです。一日で終わる職人、2か月近く通う職人、業種により様々ですが、仕事内容が違っても、自分の技術による成果を、お客様の家に置いていくのが仕事というのは共通しています。ブログは記録集をつくる視点ではなく、一生懸命ものづくりに励んでいる職人の横顔をぜひご紹介したいと思っています。

 

 

―完成した後はどのような流れになりますか。

 

完成した際には、まずは必要最小限の使い方をご説明し、鍵の引き渡しとなります。鍵の引き渡しの後お引越しも可能ですので、その日からいよいよ住むことができます。1ヶ月点検の際にはお使いになられての感想やご不明な点、メンテナンス方法を中心に詳しくご説明します。

 

その後、今までにブログでアップした写真や、完成時の写真などをまとめて手のひらサイズの「家づくりアルバム」を作成し、お渡ししております。この写真集の意味は2つあります。一つはお客様にとって、この家に関わった職人と作業風景を思い出として残していただくもの、そしてもう一つは、今後のお客様へ打ち合わせの際、過去の写真を見ながら、自分達の家のイメージを膨らませていただくもの。そのために、このオリジナルアルバムは2冊作成します。

 

 

 

こちらの赤い棚は、打ち合わせの際によく使用するツールが入っています。家づくりアルバムもこの中に入っています。また、壁の断面模型、床や扉、塗り壁のサンプルなどがあります。車輪がついているので持ち運ぶこともできるんですよ。

 

 

―住文舎の仕様はどういうものですか。

 

まずは「これはぜひ使ってもらいたい」と考えているものを中心に基本仕様としてまとめています。例えば、木の床材、木の扉、塗り壁などがありますが、それらは決して特別なものではなく、普段から気兼ねなく使ってもらいたいと考えています。また傷や汚れに対して「手入れしやすい」ものを選んでいます。家は時間とともに様々な傷や汚れが発生しますが、出来ればご自身で直していただき、難しい場合は弊社スタッフにより補修が行えるような材料であるというのが重要なポイントです。性能や見た目も大事ですが、手を入れて愛着が増す方がもっと重要です。

 

手入れ方法の一つとして、木の扉やカウンターなどのメンテナンスをお伝えする際に、蜜ろうワックスを使います。これは当初は市販のものをご紹介しておりましたが、わざわざ買いに行っていただく手間と、木の家を提供している会社が、メンテナンスに他社のワックスをご紹介する矛盾を感じ、最近では自社で蜜ろうワックスを作ることにしました。安全で無香料、必要なものしか入っていない、ご家族の誰もが手軽に使える、そのような考えのもと完成した蜜ろうワックスです。

 

 

 

―ここにあるキッズルームの床が下がっているのはなぜですか。

 

全てのハウスメーカーや工務店がこのように下げられるわけではありません。住文舎は基礎断熱という方法を採用しており、このことにより床下も室内空間として利用することができます。基礎の構造のお話よりも、まず視覚的に分かってもらえればと考え、このように下げてみました。

 

この少し下がった狭い空間は、子どもたちの人気スペースです。隠れ家的な要素があるのでしょうか。大人が入ると頭をぶつける高さでもあり、子どもの高さを意識したキッズスペースが出来ました。

 

 

 

また塗り壁が持つ可能性ということで、入口をアーチにしました。今では曲線のある下がり壁を「1/Rのくらし」としてコンセプトデザインにしましたが、そのプロトタイプです。

 

事務所を建てた頃は、このアーチがコンセプトデザインになるとは思っていませんでした。塗り壁だったらこのようなことが出来るかな、という思いつきで作りました。私が描いたスケッチをもとに、大工さんは悩みながら曲線の壁を作っていたのを思い出します。

 

 

 

 

―住文舎の紹介の中で、北欧という言葉が出てきますが、なぜ北欧をテーマにしているのですか。

 

最初のきっかけは、北欧の家=暖かい家のイメージ、ということから、弊社の断熱仕様を伝えるイメージづくりでした。さらに掘り下げていくと、北欧の家で見られる、赤や黄色などの原色に近い外観にはじまり、装飾、家具、照明、生地などのインテリアに至るまで、様々なものに魅力を感じるようになっていきました。アジアを見ても、日本と周辺国で歴史も文化も違うように、一言で北欧といっても国々の歴史や民族が違うので、例えば家ひとつ見てもノルウェーとフィンランドではデザインがまったく違います。

 

しかしながら、どこかに何か共通なテーマでつながっている。それは何だろうか?という興味のもと、自ら旅行しながら探していると、ある発見がありました。街を歩きながら体感していくなかで、北欧の暮らしや生き方に流れている「ゆっくりと流れる時間の中で豊かに過ごす」ということや、「自然に対する謙虚さを持ち合わせている」ことがこの人々の根底にあるのでは、と思えるようになりました。

 

北欧は日本よりも緯度が高いことで、夏は夜の10時でもまだ空は明るく、逆に冬は午後4時には暗くなります。長い冬の季節に憂鬱にならないように、長い時間つけていてもストレスに感じないような照明が育ってきました。夏は陽が長いからと夜中にうろうろしているのは主に観光客。北欧の人々は外が明るくても、仕事が終われば家に帰ったり、仲間と食事を楽しんだりしています。

 

どの国でも少し郊外に出るだけで広大な森があります。またそこでの楽しみ方を彼らは知っています。私も限られた時間での旅行ですので、ほんの上澄みだけの体験でしかありませんが、特に予定を決めず、なるべく北欧の暮らしの根底に流れているテーマを、体にしみ込ませてきたいと思っています。昔からデザインが変わらないものや、永く使っていて飽きのこないものが、北欧デザインには多いのも納得です。

 

 

 

―住文舎にあるインテリアについて聞かせてください。

 

北欧で作られたもの、実際に現地で買ってきたもの、また北欧デザインに近いものを中心にそろえています。購入した場所や時期はまちまちですが、不思議と並べても違和感がありません。

 

また私の背中に見える棚は、標準仕様で使っている塗り壁で棚が作れないかと思い立ち、製作してみました。ここには各国で手に入れたグッズ達の住みかになっています。

 

 

 

入口正面にある掲示ボードもよくご意見を頂くものです。ここにはお客様の表情豊かな、思い出深いポストカードが並んでいます。

 

 

 

 

 

インテリアや照明は季節や気分により変えたりしています。次回お越しの際はまた違ったインテリアになっているかもしれません。冬には薪ストーブに火が入りますので、またせひお寄りください。

 

2000年10月 「木に包まれた暖かな家づくり」を目指し、株式会社木の香の家としてスタート。2016年に社名を株式会社住文舎に変更し、当初のコンセプトに加え、北欧の暮らしに流れている、ゆるやかな時間、自然に対する謙虚さ、豊かでゆったりとしたライフスタイルを提案していくことを念頭に、家づくりを行っています。

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