[Hさんのカーブづくり] カーブって何?

まだ桜がつぼみだった4月上旬、岩手県の藤沢町にて、ちょっと不思議な空間づくりが始まりました。2018年秋、お住まいのオーナーであるHさんからのご依頼で「敷地の中に、土に囲まれた貯蔵庫をつくりたい」というお話でした。

 

さて、敷地のどこに、どうやって、どのくらい、構造は? など考え結論が出るまで少し考え、雪が無くなった頃に始めましょう、となり、ようやくこの春とりかかることになりました。

 

室内の大きさは6畳ほど、人が立てる高さです。トンネルのように掘る方法ですと、それなりの専門知識やコストの問題もありそうです。そこで、構造や換気、その他様々なことを考え、2/3は堀り、1/3は土をかぶせる、いわば半地下のような空間をつくることになりました。

 

blogのタイトルはどうしようか、と考えていたとき、Hさんから「カーブづくり、というのはどうでしょう?」とのお答え。カーブ? caveと書きます。洞窟のことです。

 

参考として見せて頂いた写真は、石の階段により下がっていく姿。そう、まさに洞窟に入っていくようなエントランスの写真でした。

 

貯蔵庫としての役目、それに加え、少し狭い空間に入っていく面白さ、そのあたりをHさんと簡単な絵で共有し、具現化してきました。

 

 

こちらは周辺を掘削し、ベースのコンクリートを打設している様子。この後立ち上がりのコンクリートを打ちますが、その際、打ち継ぎジョイントから外部の水が浸入しないような対策を行いました。

 

 

立ち上がりと屋根の型枠が組まれた様子。足場もあることから、ちょっとしたボリューム感のある物体になりました。

 

 

洞窟内部の様子、コンクリート打設の際、かなりの重みがかかるので、しっかりサポートしています。

 

 

GW中はしっかり養生。そして丁寧に型枠解体です。その後、少しずつ転圧をかけながら、最初に掘り起こした穴を埋めていきます。最終的には屋根の部分まで土を被せ、近い将来には草が生え、外部から見て、風景に溶け込んだようになれば完成です。

 

手前に見える部分が入口となる建屋が建つ場所。ここに階段が出来ます。この建屋だけが、外部から唯一見える建物になります。

 

 

埋め戻すころには、caveの上の桜も葉桜となりました。けやきも新芽が出て、新緑眩しい季節になりました。せっかく造ったものを土で隠してしまう。まるで子どもが宝物を隠す感覚に近いかもしれません。このコンクリートが完成するあたりで、工程は約半分終了。ここからは、風景の中に飛び出している建屋部分を真面目に作っていきます。

 

20190515

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