体に季節をしみ込ませる意味

 

2020年の夏は、コロナ禍の拡大との探り合いで過ぎていく季節になりました。7月には台風が一つも発生せず、その割にはここ数年続いている豪雨の影響で被害を受けた地のニュースも届きました。8月になり、ようやく梅雨明けの知らせが入ってきましたが、何も関連性はないものの、最近耳にしていない明るいニュースのような気がしてしまいます。

 

仙台も夏の恒例行事、七夕まつりをはじめ、多くの夏祭りが中止となりました。個人的にも地域規模の祭りや恒例行事も中止。無くなるとよくわかったことは、このようなニュースや実際に運営に関わっていたことが、実は、季節を自分の中に育てていたと気づいたことです。

 

夏を感じる風習がますます簡略化される現代、夏野菜にしても一年中手に入れることができる今。今年はコロナ禍による移動の自粛もあり、「今、夏である」というメモリーを自分の中に記憶させることが難しいのも事実。しかしながら、この先も、秋、冬と、季節が巡っていくことを感じずに過ごしたことが、後々、歳を重ねることのスピードを速め、ひいては老化の進行につながるのでは、などと危惧しています。

 

毎年4月より会津と新潟の間にはSLが走ります。今年は遅れて8月より秋までの短い期間ですが、週末を中心に運転が始まりました。出向いた日はようやく夏らしい天気。ちょうどこの日に南東北や新潟も梅雨明け宣言が出ました。場所柄、この列車を撮影するために集まった車のナンバーは、近県のみならず、大阪や北陸、関東など多数見られます。

 

それぞれただもくもく(SLだけに?)と自分の世界に籠って、写真や映像をとっては、また次のポイントに移動します。興味のない人には、何が楽しいのか、という光景ですが、乗車している方、多くのカメラマン、それを見守っている沿線の方すべてに、今日、夏が始まったことが記憶された日になったことでしょう。

 

20200804 仙台発イチゴイチエのいえづくり

 

 

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