artekの家具

フィンランドの建築家、アルヴァ・アアルトは、建築から都市計画、そして家具に至るまで、北欧デザインを世界に広めた一人です。今でこそ普及したシンプルモダンという考え方は、彼が活躍した当時は、アールヌーヴォーなどの芸術性の考え方に風穴をあけました。

 

彼がデザインした家具は、今でもartek(アルテック)というブランドで手に入れることができます。artekはart(芸術)とtechnology(技術)の造語。家具の脚に利用する曲木の技術を、スキーの先端を曲げる技術を応用し、実現化しました。

 

アアルト自邸、ダイニングに飾ってある脚の部分の詳細模型。組まれるスリットの長さにも変化をつけていて
ジョイント部分の弱点が分散される様子がわかります。技術を伴った美しい家具は80年以上経った今でも古さを感じません。

 

ヘルシンキの中心街にある、アルテックのショップ。ディスプレイも工夫を凝らしています。

 

アアルトの自邸にある、テレフォンコーナー。アルテックの家具の中で最もポピュラーなスツール60(丸椅子)。機能的には、この空間にとてもマッチしています。長電話の人には少々座面が痛いかもしれません。

 

自邸のそばにある、アトリエ内のスツール60。このようにスタッキング(縦積み)できるのもこの椅子の特徴です。構造上、脚の位置が少しずつ、ズレていくので、高く積み上げると、脚がまるで螺旋階段のようになります。この椅子は、今から80年前に、ロシアとの国境の町ヴィーヴリにある、図書館のためにデザインされた椅子です。その国境の町は、第二次世界大戦にて国境が変わり、現在ではロシアの町になっています。

 

戦争で荒れ果てた図書館は、フィンランドの財源も加わり、今では綺麗に復旧されているそうです。ヴィーヴリはヘルシンキとサンクトペテルブルグ(旧レニングラード)の間にある小さな町。いつかは行ってみたいものです。
(その後2016年に、念願だったヴィーヴリを訪れることができました)

 

アトリエには、ビンテージものの家具が沢山あります。年代によりデザインにも変化があり、興味深く見ることができます。