説明するまでもなく、パリのエッフェル塔である。20年くらい前に、書物で読んだか、どなたかの話だったか、記憶があいまいだが、「エッフェル塔が美しいのは、空気の創造力で出来ているからだ」と、記憶したことがある。
空気の創造力、つまり4本の脚でパリの街に立っていて、中心部が抜けていることが美しい、という意味だったと思う。このことをいつか確かめたい、と思い続けていたが、それが叶ったのが今から5年前の秋。その際、重要なことに気づいた自分がいました。
エッフェル塔は、今となってはフランスのシンボル、パリの街中ではどこからでも見ることが出来ますが、上の写真はセーヌ川の遊覧船からのもの。正直それ程、綺麗だとは思わなかったのを覚えています。日本の塔は、何層にも吹かれた屋根があるので、このような斜めからの角度が綺麗なのですが、エッフェル塔はどうやら違った。
パリは、街のつくられ方や建物など、あらゆるものがシンメトリーで出来ています。線対称の街、つまり正面があり、見る角度が決まっているとも言えます。自分のイメージの中にも、正面を向くエッフェル塔のイメージはあっても、この角度の塔のイメージは無かったのです。正面を意識した建物なので当然なのかもしれません。
少し話がかわりますが、この写真が近景のエッフェル塔。傾斜したレールにつられながら水平を保つエレベーター、この塔オリジナルの機械です。近くで見た無数のリベット(留めボルト)は不思議な表情をしています。
中間の展望回廊から市内を見た様子。ネズミ返しはあるものの、金網の隙間は大きく、さすが、自己責任が重視されている国です。
展望回廊から望むパリの街。基本、同じ高さの中層階アパート群が広がっています。ここに東京都心の人口密度の5倍の人が住んでいるとのこと。パリ中心部に一戸建ては一軒もないそうです。
凱旋門から望むエッフェル塔の夜景。シンボリックでシンプルなライトアップは、しばらく見ていても飽きませんでした。
そして最後に、一番美しい角度からのエッフェル塔。この人工広場で、たまたま結婚式用の写真を撮影していたカップルに遭遇。この日は、この瞬間だけ太陽が差し込みました。
2017年12月19日