Sさんは2011年に母屋の内装外装リフォームをきっかけにお付き合いが始まりました。今回は母屋に付随する増築工事を行うことになりました。外壁も母屋のリフォームで行ったものと同じ塗り壁材と色をセレクト。屋根も緑色に統一し、外観を一体的に感じられるような雰囲気にしました。
まずは奥様が行われている公文教室として、その後はSさんご家族の居室として利用できるように、という点がご希望でした。また、母屋と増築部分を「離れ」にするか、「続き間にするか」ということになり、結果的にはSさんが当初よりイメージされていた続き間としての増築となりました。
母屋は鉄骨二階建て、増築部は木造平屋ということで、将来つなげた部分が地震などによりクラックが入ることも考えられます。そのためクラックが入っても雨仕舞が悪くならないように、つなぎ部分に注意し仕上げました。
庭には四季折々のバラの姿があります。窓によって切り取られたバラの庭は、壁に飾られた一つの絵画のようにも見受けられます。
増築した部分を囲むように、春から夏にかけて薔薇が咲き乱れます。窓によって風景を切り取ると、まるで額に入った絵のようになります。
薔薇が咲き乱れる庭には、一周回遊できるような小道があります。
以前取り付けたダイニング前のパーゴラ。ツル性の薔薇が白いパーゴラを演出しています。
エントランスにあるレンガの門柱。土間はカラークリートにて着色し、土のような雰囲気に仕上げ。右に行くと母屋の玄関、左に行くと教室へとつながっています。
丸いアーチをくぐり教室へ入る。玄関横にはレンガで組み上げた造作の外部水道
玄関ホールの様子、多くの生徒が一同に来るために大きめの下足入れ。正面は待合のための書籍コーナー。下の段にはランドセルが入ります。玄関土間との仕切りには腰高の壁があり、壁厚を利用してスリッパ置き場があります。
増築した部分の扉は3カ所、アルダー材のドア。トイレは使用中かどうか分かるように、上部にガラスがあるドアをセレクト
教室の様子、内部の塗り壁は母屋と合わせ、アイボリー色で塗りました。なるべく天井高を確保するために、化粧梁が見えるように勾配天井で仕上げました。化粧梁の上にある間接照明と、手元はスポットライトで明るさを確保しています。
トイレの様子、スペースの有効活用でコーナーにある造作手洗い。エンジ色のボウルは信楽焼で、差し色になっています。
(2016年7月完成)