cave(洞窟)に入る際、建屋には扉が付きますが、雨風をしのいだり、セキュリティももちろん重要ですが、今回は、住宅の玄関ドアとは違う役目を付け加えたいと思っていました。それは「この扉をあけると何があるのだろう?」というワクワク感のある扉を作りたいと考えていました。ドラえもんのような、どこでもドアやのび太の勉強机の引き出しにあるような、あのどこか気持ちが高揚するような扉。
寸法や目的もさることながら、この造作する扉の持つ意味を、nokkaの工藤さんに伝え、本日めでたく事務所に納品いただきました。
高さも幅も少し小ぶりで、身をかがまないと入れません。この扉を開けると、日々の喧騒を忘れ、時間を忘れ至福のひとときを体感できる、その重要なゲートともいえます。
茶室に見られる躙り口のように、この扉では皆平等になる謙虚さを思い起こさせるために、少し低頭して扉をくぐります。
扉のトップはRのある形状、カーヴ(洞窟)とカーブ(曲線)、特に意識はしていません。そういえばHさんの庭には、5月ですのでカープ(鯉)が泳いでしました。
工藤さん曰く、特に枠側の内側の納めがご苦労されたとのこと。今回も丁寧につくっていただきました。これからこのドアに少しクラシックな形状のハンドルや丁番が付き、茶色に塗装し完成となります。
20190515