一昨日、NHKEテレで放送された「ハルカの光」、名作照明が主役となるドラマです。照明はドラマにとって脇役。むしろ名作照明になるほど、「あれ知ってる!」となることから、ストーリーを伝える上で前に出てしまう照明は敬遠されてしまうのも現状です。
照明そのものの紹介、ではなく、照明のある暮らし、をドラマを通じで伝えるというのは、あまり見たことがありません。
偶然ですが、住文舎にも、今回の主役となった「ゴールデンベル」という照明があります。
この照明は、1937年フィンランドの中心市街地にある有名なレストランのためにデザインされた照明器具です。いまでもこのレストランでは、当時の照明の姿を見ることができます。
ゴールデンベルは、アンティークではなく、今でも新品として当時のデザインを手に入れることができるのが魅力のひとつ。そしてこの照明は、点灯した時と消灯した時、まったく異なった2つの表情を楽しむことができるのも特徴です。
部屋を明るくするには、ダウンライトとスポットライトで、気軽に安価に創出すればよいのですが、ペンダント(吊り下げ照明)やスタンド照明は場の雰囲気を創るので、セレクトは本当に難しいです。
しかしながら、気分によって照明を変えたり、照らす向きを変えることで、在宅しながらにして豊かな暮らしが出来ると考えると、安い買い物なのかもしれません。
日本は戦後より高度成長期にかけて「明るい〇〇」というキャッチコピーに代表されるように、明るさ=経済の豊かさ、という指標が生まれました。
昨今のコロナ禍により、少し歩く速度がゆっくりと、場合によっては立ち止まりながら考える世の中にシフトしています。名作照明は、日々の暮らしを考え直すきっかけを与えてくれるかもしれません。
「ハルカの光」は、Eテレ毎週月曜日午後7時25分~全5話です。
20210210 仙台発イチゴイチエのいえづくり