Iさんの物置小屋づくり

ユーザーさんであるIさんから1坪(=2畳)の大きさの物置小屋づくりの依頼を受けました。季節は冬で、お住まいになられていることから、なるべく現地での作業を短くしたい、と考え、まずは住文舎にてパネルを製作しました。

 

家にしても、小屋にしても、大きさは違えど、建てる方法は2つ。一つは土台、柱、梁などのフレームを組み、壁をつくる、昔から伝わる「在来軸組工法」。もう一つは、パネル化して組み立てる「ツーバイーフォー工法」。コストや精度、手間などそれぞれメリットデメリットがありますが、小屋くらいの大きさですと、パネル化する方が、組み上げる時間は短くなります。

 

パネルは床、壁4面の5枚、本来ならば屋根までパネル化できますが、組み上げる際風であおられる不安もあることから、今回は壁までのパネル化に。屋根は現地で組みことにしました。

 

パネルをトラックに乗せ、いざIさん宅へ。

 

 

束石を並べ、おおよその水平をとり、さらに土台レベルで正確な水平をチェック。微調整は脚の長さで行います。この上に床合板を敷き、下地がつくられます。

 

 

続いて壁の造作。運び込んだパネルを組み立て、仮止め。その後寸法を調整し、本止め。構造用合板で四方を囲むと、もうゆがみは生まれません。

 

 

続いて垂木かけ。屋根の下地です。この作業で軒の出が決まります。しっかりと釘と金物でつなぎ、風であおられないようにつなぎます。

 

 

屋根の下地合板を張り、この後は板金業者さんによる屋根葺きです。

 

 

外壁は北海道の道南スギ。スギ材は塗料を吸い込むことから2度塗りする必要があります。そのために住文舎で下塗りを行い、当地で張った後に仕上げ塗装を行います。

 

 

扉も取り付け、外壁も仕上がりました。板の張り方は「ボード&バデン」という方法で、大きいもの(ボード)をまず張り、帯材(バデン)で固定する、という張り方です。バデンで留める理由は、木が伸び縮みするための緩衝部分をつくるためです。見た目としてもリブがあることで立体的に、陰影のある雰囲気になります。

 

 

引手を付けて完成です。物置小屋と言っても、基礎以外はほぼ家を建てる方法と同じ。フィンランドの湖畔にあるサウナ小屋と同じような雰囲気になりました。シンプルでいて、いかにも「造った」感のある小屋の完成です。

 

20210211

 

 

 

 

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