油絵が時をつなぐ家、本日から木工事がスタートです。邦友工務店さんによる大工工事です。まずは土台敷きの様子から。
床を支える大引(おおびき)という材料に黒いプラスチックの部材(プラ束)を取り付けています。昔はこの部分は木でしたが、現在はプラスチックか鋼製です。素材はプラスチックといえども、この1本で1tの荷重を受けることができます。一度仮止めし、床が水平になるように微調整します。
材料はプレカットによりサネがついています。「かけや」という大きなハンマーでたたき、組んでいきます。材料どうしはこの後釘で緊結します。
材料には全て番号が振られています。「いろはにほへと・・・」「123・・・」と縦横のグリッドをつくり、その材料がどこにはまるかが分かるようになっています。
例えば、手前の材料で「又り1」とかかれているポイントは、り通りの付近でグリッドがずれている(=り通りではない)ところと1番通りの交差点、つまり「又り1ポイントと又り2ポイントをつなぐ材料(大引)です」というメッセージ。
また足元には床下に隠れてしまう設備配管もあります。青は水、赤はお湯です。全てのルートが1本(元菅)から始まり、各ルートへ枝管として給水されます。
木造の場合は、随所に「木はやせる(=細くなる)もの」という考えに則った部材があります。こちらは土台と基礎をつなぐスクリュー座金、という金物です。この金物は基礎から出ているアンカーボルトと土台を締めるものですが、土台がひのきの乾燥材とはいえ、上からの荷重や建てた後の乾燥により、さらに数ミリやせることが考えられます。
仮にやせても緩まないように、締め付ける際にひのきを掘りながら、緩まないように締まる工夫が施されています。
スクリュー座金はまず手ではめ込み、材料の通りを確認し、専用工具で留めます。木の特性をいかしつつ、欠点を補いつつ、現在の木造の家はつくられています。
20210217