只今、築53年のお住まい(トイレ)のリフォーム中です。今回は面積もそれ程でもなく、大きさ的にも1人で行う作業でもあるので、自ら解体してみることにしました。
タイルをはつり、モルタルを解体すると、当時の下地が出てきました。これは「木ずり」というモルタル下地になる材料です。クロス貼りのなかった時代、水回りではタイル貼りが主流でした。そして湿気の多い部屋ということもあり、この木ずりは、杉材ではなく、ヒバが使われていました。
現在では大変貴重なヒバ材ですが、当時はごく一般的に手に入っていたのでしょうか。またビスではなく釘、それも機械打ちではなく、手打ち。工具も手刻みが主流でしたので、トイレの解体だけでも、当時の大工さんや左官業者さんの仕事を拝見することが出来、貴重な体験でした。
この地の53年前は、周辺含め、どのような景色だったのだろう、そんなことも考えながらの作業。構造はしっかりと造られていて、まだまだ耐久性はありそうです。
全解体ではなく、一部解体しリフォームする場合、当時の仕事を間近に見ることが出来ます。このお住まいが、いつかまたリフォームを迎えることがあったなら、当時の工務店は適当なことをやっていたな、と思われないように、仕事をしたいものです。
20211128 仙台発イチゴイチエのいえづくり