只今岩沼でリフォーム中。茶室づくりの様子から。
今日はとても大事な仕事があります。 天井に一本の金物をつけます。
これは、釜蛭釘(かまひるくぎ)というもので、春先に使用する吊り釜をつるすために、天井につけるものです。
形が ヒル に似ていることから、このような名前がついています。ここに約10kgの荷重がかかることから、しっかしとした下地をつくる必要があります。
留め方は、ホームセンターで手に入る、後からねじ込む方法ではなく、天井を貫通させて、横からピンを指し、固定します。
そのため、本来はすべて完成した段階で、天井裏に入り、取り付けるようになっていますが、1~2階の隙間がなく、後から手が入らないこともあり、天井貼りのタイミングで大工さんと調整しながら、取り付けました。
まずは、畳敷き寸法を正確に出し、床合板に、炉を切る場所を墨だしします。ポイントはここから。吊り釜をつるす鎖は、釜蛭釘の中心(一番下がったところ)になることから、取り付け位置がずれます。写真の〇がセンター(くさり中心)、そこから15ミリずれた場所が蛭釘センターになります。
ここからは現代の道具の大活躍の場。昔は下げ振りを使って垂直を出していましたが、今はレーザーの時代。蛭釘センターに、レーザーの光(赤い点)を合わせます。
垂直になる場所が、天井の赤い点。この部分を補強し、大工さんが目透かし天井をはり、塞ぎます。
そして次の天井材をはる前に、写真の真ん中左手に開いている天井穴から手を伸ばし、釘を固定し、ピンを差します。
このようにして、ようやく釜蛭釘が取り付けられました。出来上がると何てことなく見えますが、なかなか気を遣う作業でした。
20221201 仙台発イチゴイチエのいえづくり