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“2つの関係” キッチンの高さと身長の関係


vol.7
家の中で使い勝手が左右する一つが、キッチンの高さです。キッチンは日本名、台所。つまり台が大事な空間です。
この台の高さ(=キッチンの天板の高さ)を何cmにするか、とても難しいポイントです。
昭和の頃は、おおよそ80cm高、平成になり85~86cm、令和では90~91cmを選ばれる方もおられます。
実はキッチンの高さの目安とは、身長から割り出すことができます。身長の1/2+5cmが目安です。身長160cmの方を例に考えると、160/2+5=85cm となります。
高さの変遷を考えることはとても面白く、ただ男女共、日本人の身長が大きくなっただけではない原因がありそうです。
その一つが、男性もキッチンに立つ機会が増えたこと。男女問わずキッチンを活用する時代、そのために奥様だけではなく、ご主人の意見も踏まえて、高さを考えるようになりました。
もう一つが、IHが増えたこと。IHとガスコンロを比較すると、掃除のしやすさや火力、云々、以外に五徳があるか否かも重要な点です。ガスではフライパンは上げて混ぜますが、IHは構造上、フライパンと設置していないと熱が入らないので、振るというよりは、揺すって混ぜます。
コンロがIHか、ガスコンロかによっても、選ぶ高さが変わってきます。
一方、使ったお皿などの洗い物を考える際、シンクは高いほうが腰が痛くなりにくいです。調理の面では、まな板の高さは少し低い方が、包丁を落として切れやすくなります。
また普段スリッパをはく方は、はかない方より約2cm高くなります。
いろいろな要素が影響するキッチンの高さ。人はあるものには順応する生き物ですので、あまり難しく考える必要はありませんが、基準となる式で求められる寸法から、我が家は上げるか、下げるか、を考えればよいと思います。
一つだけ要素に入れない方が良いのが、小さなお子さんの使い勝手。あっという間に大きくなり、もしかすると家族の中で一番大きくなるかもしれません。大人の高さ基準で大丈夫です。
2025.12.15
#デザインディテール
