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“2つの関係” アビエントライトとタスクライトの関係


vol.19
室内の照明には大きく分けて2つの役割があります。部屋全体を明るくするか(=アビエントライト)、その目的のものを中心に照らすか(=タスクライト)、という方法です。
あかりはロウソクに始まり、やがて油を使ったランプへと変わりましたが、光量はわずかであったため、部屋全体を照らすことは贅沢極まりない時代が長く続きました。
やがて電気が発明されますが、それでも天井に一つだけの照明で、フィラメントが光る電球では光量が不足がち。 また日本よりも北緯に位置する北欧では、春から秋にかけて、日本の夕方にくらべて格段に夕方の時間が長く、徐々にあかりを増やしていくには、天井の一灯よりも、光を分散させることが目的にあったのだと推測されます。
日本では戦後に蛍光灯が一気に普及し、「明るいナショナル」などのキャッチコピーに見られるように、明るさ=豊かさ が正比例する関係が築かれました。ここから約半世紀の間、蛍光灯が室内照明の中心にありましたが、大きなターニングポイントとなったのが、2011年に発生した東日本大震災です。
東日本沿岸部にある発電所がストップし、加えて福島第一原発の事故により、日本の原発が運転停止、電力不足の影響もあり、日本の照明メーカーは、一気に蛍光灯や白熱灯から、LEDへと開発をシフトせざるを得ない状況となりました。
白熱灯、蛍光灯、LED、それぞれ特徴がありますが、LEDの最も重要な特徴は、光源が小さいことと、熱を帯びにくいことだと感じています。
光源が小さく、熱を帯びにくいということは、小さな照明器具を造ることができます。そして可燃物に近くても火災の危険性が少ないことで、間接照明がより小さく、分散することができます。
LEDの特徴を生かした照明器具の開発、そしてSNSの普及により、分散型のあかりを楽しむシーンを画像で見ることができるようになり、今まで北欧などで見られた、複数のタスクライトを活用し部屋を明るくする照明計画がイメージしやすくなりました。
写真でご紹介するお客様は、LDKに関して、最初から天井にあるシーリングライトでの照明一灯でのあかりをお好みではなく、「少し暗めの部屋で良いです。必要に応じてあかりを足していけるように」というご希望の方でした。
LDについては、食卓にあるペンダントライト、コーナーの壁を照らすブラケットライト、そしてお気に入りの絵を照らすピクチャーライトの3灯のみ。実際に生活されてテレビの脇に、シンプルなスタンドをお求めされました。 タスクライトを中心とした、落ち着きのあるあかり生活を楽しんでおられます。

2026.01.21
#デザインディテール
