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“2つの関係” 手描きと数値化の関係


vol.26
住宅も含め建築をつくる作業は、基本的には数値化する作業でもあります。西洋音楽が全世界に広がる過程で、楽譜が必要であったと同じく、たくさんの人がかかわる建築の世界では、楽譜に代わるものとして図面があります。図面はイメージから数値に置き換わったもの。見積りから資材、工程管理、元請けから下請けまで、この数値化された図面が必要不可欠です。
しかし、施主の希望やイメージをダイレクトに反映できる住宅においては、最初から数値化すると、画一化され、どこかで見たような、注文住宅の強みの少ない家になる可能性も秘めています。
特にアールの下がり壁などは、まずは手描きでラフスケッチを描くほうが、やはり仕上がりもきれい。人の手で描く曲線は、うまい下手は関係なく、自然を感じる有機的な線になります。
また曲線の角が丸く、さらに柔らかな雰囲気を出したい場合は、まずは手描きで、その場にふさわしい曲線を模索することが何よりも重要な作業です。
しかしながら、家づくりは絵画と違い、設計のイメージを、実現してくれる職人さんに伝える必要があります。小さな紙に描いたきれいな曲線が出来たとして、それを原寸におこす段階で、少し崩れてしまうと、最終的に仕上がった段階で、その場所が目立つポイントになりかねません。
ラフな曲線を具現化するために、ここで数値化が必要になります。このきれいな曲線を数値化する。実は今から800年以上前に法則を発見した数学者がおります。イタリアの数学者、フィボナッチです。
この数列で描かれる曲線は、世界一美しいとされ、数列の後半になる程、黄金比(1:1.618)に近づいてきます。
手描きのカーブを、このフィボナッチ曲線の一部にあてて数値化することで、(その後様々な作業を重ね)現地において手描きのイメージを完成されることができます。
きれいな曲線をつくるには、まず手描き。そして伝えるためには数値化も重要。このバランスを使い分け、組み合わせることが最も大事なポイントです。

2026.03.15
#デザインディテール
