年の瀬の住文舎~2021冬

毎年この時期になると、住文舎ではクリスマスツリーが飾られます。窓の内側、照明がタイマーにつながっているので、夕刻になると通りを行き交うバスからも見ることができます。窓際には通年にわたり、サンタクロースや北欧の妖精・トントゥも飾ってありますが、クリスマスツリーが飾られると、普段通りのアイテムも一層引き立って見えるのが不思議です。

 

 

2021年は昨年から続く、世界的なコロナ禍から始まり、ワクチンの普及、終息するかと思いきや、ウイルスも変異していきながら生きていく、等々、コロナに始まり、コロナで終わる、そんな1年となりそうです。

 

人が動き、人に会うことが特別な存在になってしまった昨今、それを補完すべく、オンラインでのミーティングや買い物に至るまで、すごいスピードで生活に入り込み、「人に会わなくても」「旅行しなくても」「店でモノを買わなくても」、と、つい思ってしまうような行動パターンに社会がなりつつあります。

 

 

仕事柄、私があまり得意としないリクエストがあると、知らない情報をSNSやwebで調べることが多いのですが、その後にやってくるAIが分析した類似性のある広告では、ご丁寧に、「これが好きならこれがオススメ!」としばらく「無言のおせっかい」が続きます。

 

上記、〇〇なくても、を達成するためには、AIとwebネットワークが不可欠だとは思いますが、何故だか、どんどん考える巾や面白み、趣味嗜好が狭くなっていく感を持ち合わせます。

 

 

AIがやってくれることは、簡単にいうと、正解を出し続けてくれること、に他なりません。無駄な情報こそ、秘めたアイデアあり。お客様との打ち合わせにおいても「なるほど、そう考えておられるならば(自分の中ではいささか納得していないが)やってもようかな」と思える瞬間があります。

 

それはまさに、お客様の経験や考え方が、目の前の設計士を超えた瞬間であり、実際に完成してみると、自分自身も納得する瞬間に何度となく立ち会わせて頂きました。そしてそのことは、次の仕事へのストックとなり、私としては2度、得なことでもあります。

 

旅をしたり、本屋でさまよったり、新聞を隅々まで読んだり、人と話をしたり、そんなAIが不正解と思える行動に、実は私たちの仕事は成り立っているのだ、と思い知らされた1年でした。

 

 

とことん「聴く」からはじめるオーダーハウス、この言葉(=タグライン)は一昨年の夏に決めた言葉ですが、ここを簡略化してしまうと、どうしても薄っぺらい住まいづくりになってしまいます。もしかすると、2度、得な経験もなく終わってしまうかもしれません。

 

人と会うのが特別な時代、だからこそ、会って、こだわりを聴いて、形にしていく、このポイントを残せれば、オーダーハウスという仕事は、コロナ禍やその他の災難でも乗り越えていけそうな気がします。

 

コロナウイルスは変異を繰り返し、ヒトの中で生き続けようとしています。まさに今、人類も目に見えないウイルスに、包容力が試されているのです。

 

 

20211209 仙台発イチゴイチエのいえづくり

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