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concept アーチ下がり壁のある和室
築23年が経過した仙台市泉区松陵の家。Hさんとは、最初にキッチンのリフォームにてお世話になってから、幾度となくお付き合いさせて頂いてます。全体としては洋風の家ですが、玄関入って左に8畳間と広縁のある和室があります。Hさん曰く、「あまり活用されてこなかった」和室とのことですが、今回は、この部屋を「もっと使える(活用できる)和室へ」というご要望を受け、プランしました。
ポイントはいくつかあり、
- 床の間の位置の変更
- 西面にある上げ下げ障子の窓をどうするか
- 和室と南側広縁とのつながり
- 和室と北側クローゼットとのつながり
- 全体としてもう少し明るく感じられる部屋に
- 蓄暖やエアコンをうまく隠せないか 等がありました。
このご要望に加えて、こちらからご提案したポイントは、
- 洋風の家にある和室としての設え
- 随所に使われている米ヒバ材を極力活かせないか」 という点
特に米ヒバに関しては、現在では大変高価な材になりましたが、お付き合いのある銘木業者さんと話している際、この家が建てられた時代は、米ヒバは輸入が始まった頃で、それ程高価な品ではなかったとのこと。
このリフォームで、当初から使われた和室仕上げ材と、新規で追加する材とが、当然色に違いがでるものの、経年劣化とともに、色が合っていくことを見据えて、あえて、「使える材は使っていくリフォーム」をご提案しました。
また畳は、この機会に四角い縁なし畳へ。壁はクロスでしたが、剥離しているものを丁寧にはがし、下地処理の上、他の部屋のリフォームでも使用している、調質性のある「健康塗り壁」で仕上げました。色は落ち着いたキャメル色。塗り壁らしい色で、洋風の家の中にある和室としては、良い色に仕上がりました。
床の間の位置として、和室入って正面に設けました。そこには当初から上げ下げ障子のある窓があります。イレギュラーではありましたが、あえてこの窓を床の間の中になるように、床柱を配しました。
落とし掛け(床の間の下がり壁)は、柔らかいアーチ曲線とし、床の間にアクセントが加わりました。床柱は当初の角柱より、スギの磨き丸太へ。柔らかさと上品さを醸し出してくれました。
照明は、この和室にマッチするのではと、「ヤコブソンランプ」という北欧パインをスライスした照明をご提案。加えて同じシリーズの小さなスタンドもレイアウト頂きました。
和室を中心に、南側広縁とは、当初存在した欄間障子を無くし、戸袋にしまえる大きな引き分け障子。また北側クローゼットは、当初は1本引き戸だったものから2本引き戸へ。それぞれ開けると風通しのよい空間になりました。
今回のリフォームにより、玄関と隣接していることもあり、より普段使い出来そうな和室へとなりました。
2017年1月より打ち合わせ
2017年4月~5月 施工
※1/Rのくらし 【あーる ぶんのいち の くらし】
住文舎が提案するライフスタイル 「くらしの中に、自由な曲線を」