住まいの内外装リフォームでお世話になった泉区高森Yさん邸。前のオーナーから購入され10年以上が経過し、この度、本格的にリフォームを行うことになりました。前オーナーから引き継がれた図面を拝見しましたが、保存状態がよく、家の構造や家歴など良く分かりました。
前オーナーも自分の生活スタイルに合わせて、家を手入れされていたようです。リフォームの際、一階の部屋を広げる増築工事を行った様子が見受けられます。その中で、どうしても構造上抜くことが出来なかった柱が、上記の写真です。
Yさんもこの柱のある状態で生活されていましたが、まず何か面白く、この「柱」を「柱でないものに」作り変えられないだろうか、との思いから、棚のある円柱のご提案をさせて頂きました。
柱は構造上必要なものではありますが、決してインテリアとして活用できるかというと、案外難しいものです。時計を付ける、子供の成長過程をマーク、、、しかし、その場所でなくても良いケースがあります。
リフォーム前のインテリアを拝見した際、生活スタイルとして小物や書籍、写真など、飾れるコンテンツは沢山お持ちでしたので、「この柱に丸い棚があったら」というアイデアにつながりました。
円を一から加工するのは大変な作業。そこでいつもの方法ですが、CAD図面を作成し、いつも依頼している山形の鮭川木工さんへ送信。材料の一部(エコシラ合板)は北海道から木工所へ直送しました。加工発注後、約10日後に住文舎に到着しました。毎回感じますが、木工所さんらしく、綺麗に梱包して送られてきました。
※エコシラ合板 =北海道のシラカバをかつら剥きし、綺麗な合板に仕上げたもの
梱包を解き、チェック。ちょうど古銭を二つに割った形状です。まるでカブトガニの大群のようです。この四角いところに柱が挟まるようなイメージ
まずはベースとなるタワーが組みあがったところ。棚の高さを変え、互い違いに棚があるイメージ
さて曲線の表面をどうするか。今回は、かまぼこのような形状を、Yさん宅で拝み合わせるように組むイメージですが、どうしても誤差などにより、組み立て段階で調整が出来なくなる可能性がありました。
そこで使用したのが、北海道のナラ材を細い板状にした木ブロック。厚みも3種類あり、円柱のベースはきっちりとした曲線ですが、仕上げの表面はラフに仕上げる方法をとりました。
この棚が「The・柱」ではなく、壁の一部として思えるかどうか。扉は窓カウンターなど、少しシャビィな白で仕上げていることから円柱も同じように仕上げることに。オスモカラーの白をクリアーで倍に薄め、オリジナル色を作成しました。木が焼けてくると少し白が目立たなくなるイメージです。
いざ、組み立て。ねじれなどを微調整している様子
完成の様子、少しディスプレイさせて頂きました。大きさはYさんと検討し、直径40センチに決定。Yさん宅オリジナルの円柱棚が出来上がりました。
(2017年11月 施工)
※1/Rのくらし 【あーる ぶんのいち の くらし】
住文舎が提案するライフスタイル、「くらしのなかに、自由な曲線を」