小さなコードは産業を左右させる。

2020年は新型コロナウィルスの広がりにより、様々な分野に影響を及ぼしています。

まだ緊急事態宣言が出される前、この夏のオリンピックも開催予定だった時期、2月17日月曜日は、住宅業界には大きなニュースがありました。

 

住設メーカー大手のTOTOが、トイレを中心とした多くの設備の新規受注の停止が始まった日です。ちょうど中国では日本よりも先にウィルスの影響が多方面に出ている時期、隣国で起こっているニュースがいよいよこの仕事に影響が出てきた、その日、でした。

 

時を同じくして、各社の製品にも受注停止が起きていました。それはトイレに始まり、エコキュート、IHヒーター、レンジフードetc。

 

震災の後もそうでしたが、このような状況になると、一部で買い占めが始まり、そのことで混乱に拍車がかかります。

 

 

住宅建材に限らず、日本の製品は純国産から、全て海外生産、あるいは海外で部品製作し日本で組み立て、など様々なパターンによりつくられていますが、課題は運搬コストがあります。

 

あまり重いもの、壊れやすいもの、または日本のマーケットの変動に容易に対応したいものは海外生産より国内の方が向いています。住宅設備はそのような理由から国内でつくられるものが多いのですが、日本でまだコロナ禍の影響が始まるかどうかの時期、なぜこれほどまでに影響を受けているのか、いささか疑問でした。

 

 

住宅設備全般に広がった混乱は、3月末ごろより徐々に回復していきましたが、後で伺ったところによると、主な原因の一つとして、大連で作られていた「ハーネス」と呼ばれる小さなコードが手に入りにくい状況にあったそうです。

 

精密機械が多い現在の設備は、数本のコードが束になり、コネクターによりつながれて電気が流れます。この方法はトイレでもIHヒーターでも、車でも同じです。外観や動作基盤など肝心な部分は日本でつくっていますが、機材の血管ともいえるハーネスが中国でつくっていたとは、この時初めて知りました。

 

 

先述のトイレについても、陶器は国産ですので在庫はあったものの、シャワートイレなどが組みあがらないことから受注停止、そしてもともとはLIXILに影響が出始めて、発注先の多くがTOTOにシフトしたことで、処理できなくなり受注停止、という手段になったようです。

 

いろいろな産業に支えられて成り立っている住宅業界。このハーネスの供給が戻ったことで、また産業の血が流れ始めました。

 

20200618