そら景色が広がる家、2日間は内部断熱工事で他の職人さんは抜け、断熱業者(BIB)さんだけの作業になります。
今回の断熱はグラスウール。職人さんの手で壁の間に詰めていきます。断熱材はまるで大きなボンレスハムのようにチューブ状のビニールに入っています。これを開放すると、約2倍に「ぼわっと」膨らみます。
断熱作業は、日本の家としての歴史では、比較的後になってうまれた業界です。そのため、昔は大工さんが理由もさほど分からずに手詰めしていましたが、その理由から壁体内での結露や、カビの発生などが起きてしまいました。最近の高性能の住宅程、断熱気密の理屈が分かっている職人さんが作業することが重要で、断熱業界、が確立するようになりました。
断熱作業というのは、スケジュールがタイトな場合が多く、建て方や中間検査が終わり、電気配線が完成し、内部造作が始まる前、というピンポイントに行わなければならない作業です。
業者さんが抱えている沢山の仕事の中で、「そら景色が広がる家」も事前に、この日、というのを決め、皆にとってベターになるように段取りしていきます。
特に断熱工事は、どうしても広げたり、ごみも発生するため、なかなか他の職人さんが入っていると、お互い気を使って効率が悪くなります。
ボンレスハムが右側に見えます。これを開け、入る場所の長さにカットし、隙間ができないようにぴっちりと入れます。グラスウールは詰め込めば良いわけではなく、空気があることで暑さ寒さをブロックします。
グラスウールの正体はガラス繊維が複雑に絡みついたものですが、赤く見えるのは着色剤によるものです。これは単純に暖かく見えるためだけではなく、細かいガラス繊維の飛散防止の役目もあります。生産会社により黄色などもありますが、赤は不思議と暖かく感じられます。
グラスウールで断熱を行う場合、気密性能がとても重要になります。室内からの湿気がグラスウールに入ると性能が落ちるだけではなく、重力により将来にわたり下方に落ちてしまいます。
そのため、気密シートを隙間が出来ないようにぴっちり張り、重ねしろや窓まわりなどは気密テープでしっかり貼ります。コンセントなども専用のプラスチックケースを入れ、周りをテープで処理。
実はこのシート張りこそが、専門業者さんの腕の見せどころ。数日後には石膏ボードを貼りますので、まもなく見えなくなりますが、責任のある大事な仕事の一つです。天井は一番最後に断熱材を吹き込みします。
20210710