仙台市内の東部に広がる田園地帯、その一角にあるSさん邸、今回は母屋に隣接した、「はなれ」をつくることになりました。お会いしたきっかけは、2021年2月に掲載された住文舎の記事を、偶然目にされたことでした。実際にお会いしたのは、記事になってから1年半後の2022年9月。それまで、一枚の記事を覚えていて頂いたのは嬉しい限りですが、その際「はなれ」をお考えになられたことや、実際に実現し、暮らされている感想など、お伺いしました。
―――お住まいになられて2か月弱が過ぎましたが、生活されていかがですか。
【Sさん(以下同じ)】
リビングにいると、窓が東・南・北にあることで室内が明るく感じます。当初は予定のなかった玄関との境にカーテンを設け、夜間は閉めることで、落ち着きもあり、とても気に入っています。
(同じ敷地内にある)母屋の方では、飼っているワンちゃんのことや、家族の成長とともに、私が使う部屋も変わっていきましたが、ようやく自分の部屋が持てた気分です。
―――はなれを計画されたきっかけを教えてください。
今から5、6年前に、次女が仙台に戻ってきたことがきっかけです。母屋でのそれぞれの生活もあり、最初は母屋のリフォームを考えました。1階のつづき間を個室にすることも考えてみましたが、縁側もあり、エアコンはつけられるのか、など考えているうちに、「むしろはなれをつくった方がうまくいくのでは」と、簡単に考えていました。当初は私の部屋になりますが、この先、誰が使っても活用しやすい部屋にもなるかと考えました。
また、東日本大震災の際に、家にあった陶器のカップなど壊れてしまいました。今後は気に入ったもので、壊れにくいもので生活したいな、と考えるようになりました。
家のイメージとしては、最初はログハウスがいいかな、とも思いましたが、なかなか予算が合いそうもなく、工務店で相談できるところがあればいいな、と考えていました。そうはいっても、あまり安いところは不安でした。安物買いの銭失い、ではないですが、かえって高くつく気もしますし。そんな折「あの新聞記事」に出会いました。
―――河北新報の記事ですね。(2021年2月27日朝刊掲載:住文舎が紹介された記事)
あの記事の内容を見ても、特に新築やリフォームの記事ではありませんでしたが。
実は、私には今まで直観が働いたことが3回あります。1回目は高校生の時、友人と自転車で海まで行った帰り道、ある一本の気になる道に出会いました。その後随分と経ったある日、その道が子供の通学路になり驚きました。2回目は子供をつれて公園にいくと、その横の専門学校が気になり、またしばらく経ってから、その専門学校の図書室で働くことになりました。3回目が今回の出会いです。偶然(住文舎が掲載されている)新聞記事を目にして、何か惹かれるものがありました。
良い意味で「機嫌よさそう」な方だな、と。実際にお会いした際も同じ印象でした。
―――打合せや工事を進めていくにあたり、気になったところはありますか。
前もっていつまでに決めるか、伝えて頂いたので、段取りがとりやすかったです。また工事の日程についても、家族の仕事スケジュールを考え、この時期から、と希望をお伝えしましたが、調整を頂き助かりました。
母屋も含め、敷地内には仕事用の建物もあることから、はなれは簡単に考えていましたが、いざ調べて頂くと、法律的にクリアすることが様々あることを教えて頂きました。可能か不可能か、協議に少し時間がかかりましたが、建てられると分かった際は、本当に嬉しかったです。
その後、いざ工事が始まってからは、住文舎さんや職人さんに安心してお任せしておりました。
―――打合せでは、あまり迷うことなくお決めになられていた印象です。
先ほどの専門学校の図書室に勤めていた際、インテリアなどの本がたくさんあり、それを眺めているのが好きでした。その中で好きなもののイメージが作られたのかもしれません。
また迷うことが好きではなく、いつも自分で決めたいと思っています。他人に相談しても、迷わされると決められなくなります。しかし、他人の話を聞かない訳ではなく、信頼のおける方のアドバイスはしっかり聞くようにしています。そうしないと進歩しませんし。
最後まで悩んだのが外壁の色ですね。この周辺にない色で、調和もあり派手にならないように、と考えていましたが、結果的にベージュとなり、とても気に入っています。
―――この家の将来のことなど、お聞かせください。
まずは私の部屋として使いますが、住む人のカラーで育てていけると良いなと思います。今後も丁寧に住んでいきたいと願っています。
―――本日は有難うございました。
2023年9月19日 Sさん邸リビングにてインタビュー