Fさんは、いつもお世話になっている板金業者さんです。震災を機に、加工場のある自宅を建て直すことになりました。仙台市宮城野区新田の家
敷地は都市計画道路にかかっており、申請を進めていたところ、道路計画が中止になり、より建てやすくなりました。プランづくりとしては、板金加工ということで、近隣への音を考えた点を考慮。また材料の出し入れなどを考え各部屋の位置を決めました。
二階がメインの住居スペースになりますが、玄関を含め、一階をどの部屋として割り振るか検討を重ねました。結果的に、セキュリティや将来ご両親との同居の可能性を考え、ご両親がお越しになった際、活用できる部屋に、となりました。
二階の前面道路に面した場所には事務所があります。これは外部から、また住居からアクセスできますが、仕事とプライベートに変化をつけるため、階段4段(75センチ)の床の段差がついています。
階段を上がってくると正面の廊下を通ります。弓のアーチを越えるとリビングダイニングへ
ダイニングは東面を向いた天窓がついています。勾配天井により、二階にいてもまるで平屋にいる雰囲気
ダイニングからリビングを望む。ダイニングはルイスポールセン社のAJロイヤル。リビングは同じくPH5。テレビボードは造作で壁の一部としてつくりました。ナラ材の無垢床、マリメッコの黒ウニッコと相まって室内はシックな雰囲気に仕上がりました。
二階洋室のみ、白いパインの扉に、白いクローゼット扉。赤いウニッコが部屋の印象付けになっています。
二階キッチンの様子。L型でタイル床、白い人造大理石で、エコシラ合板による扉材
キッチンの横には奥様の趣味スペースとサブ洗面があります。
二階トイレの様子、小便器はフランスのデザイン
一階サニタリーの様子、造作カウンターとシンプルな鏡による組み合わせ
一階玄関横の和室、雪見障子をはめ込み
LDから事務室へつづく階段。4段(75㎝)下がり事務室へつづく。左は事務室上にあるロフトへの階段
事務室から見た様子、4段上がってプライベート空間へ
事務室の様子。外部からの来客のため、床の一部はタイル敷きに。化粧梁の上がロフト空間となっています。
事務所入り口を下るとガレージ、加工場へとつづく。モスグリーンの鉄骨階段
天候を気にせず作業できる加工場。年季の入った器械が並ぶ。この上がリビングダイニングの位置
一階事務室へとつづく入口には、屋号を組み込んだオリジナル照明をとりつけ。四角いシンプルな照明に、人造大理石をくりぬいて製作。夜間には屋号は浮き上がる仕掛けです。
(2012年7月完成)