八木山で育ったご主人は、住んだ経験がないと感じ得ない八木山の魅力をお持ちでした。せっかく家を建てるならば八木山で。そのようなご希望から場所を絞って土地探しをされておりました。
ご家族で検討され、ここではどうか、と紹介された土地を拝見させていただいた日は、北側のお隣の方の法面に綺麗なさつきの花が咲いていました。二階から見えると思われる海を想像し、その借景を活かすような家が提案できるのではないか、そんな考えをめぐらせ、お客様にぜひご購入されてはどうか、とお話させていただきました。
いざ設計が始まると法律の規制が厳しく、また一度申請したものの法律の見解の違いがあり、再度図面の検討が必要となりました。それでもこだわりの部分をどうにか実現できないか。Sさんも多少なりとも妥協があったと思いますが、そんな生みの苦しみもありながらの家づくりでした。
敷地に合わせて、最大限利用できる案を検討した結果、斜め壁のある外観となりました。色はスカイツリーホワイト、設計をしていた年にスカイツリーがオープン。この白を基本に塗料番号を決定しました。一見、白単色に見えますが、実は少しだけ紫が入っている上品な色がスカイツリーホワイトでした。
二階にある子どもたちの勉強スペース、細長い窓から海が見える。
二階リビングの様子、カーテンはボラス社のマラガ。クリーム色の塗り壁とウォールナット色の木部との組み合わせ
二階キッチンの様子、薄桃色の人大カウンターにエコシラ合板の扉材。背面収納にある小さな窓からはお隣の綺麗な庭が見える。
一階玄関ホールにある洋室との室内窓
廊下からは弓アーチに見えるが、洋室から見ると実は四角い窓になっている。
一階サニタリーの様子。人大天板と収納、鏡も造作によるシンプルな洗面カウンター
子どもたちに大人気の二階の上にあるロフト。狭いものの上がりやすい階段もついていて、まるで三階のよう
二階トイレ内にある造作手洗い。ボウルは信楽焼
玄関横にあるシューズクローク オープンなため24時間換気の排気を設けている。入り口は自在な曲線により、遊び心を加えている。
玄関にある外部照明。四角い照明に、数字をカットした人大の板を取り付け。夜間に浮かび上がる仕掛けとなっています。
(2013年3月完成)