2018年3月に完成した「うんていのある家」リノベーション。室内には二人のお子さんが描かれた1/Rの壁があります。
工事が進むにあたり、娘さんがリビングとダイニングの境となる下がり壁、息子さんがキッズルームの入り口の壁をデザインすることになりました。基本的に絵を描いてもらう範囲を決め、その中に納まるようにスケッチしてもらいました。
まず、こちらは娘さんが描かれたスケッチ。こちらをもとに、10㎝角のグリッドをつくり、曲線を清書するためのポイントを拾いました。
こちらは息子さんが描いたスケッチ。何やらくまモンっぽい絵柄です。9歳らしく決して大人には描けない発想です。曲線も小さいのでうまく実現できるか、いささか不安がありました。
二枚のスケッチをもとに、グリッドよりポイントを拾い、さらにカーブになるように微調整し、図面を描きました。この図は、山形の鮭川木工さんに、作るにあたっての冶具を依頼したものです。ランバーコアというべニア(91㎝×1.82㎝)からなるべく効率よく使える配置を考え、割り付けしました。
図面をデータで送り、鮭川木工さんの加工機に直接読み込んで頂き、描かれた通りにカットされます。約一週間後に住文舎に届きました。梱包を開けた時の感動は毎回楽しみです。
この冶具を下地に、下がり壁や入り口を作っていきます。冶具をもとに組む際も微調整が必要ですので、後は大工さんの腕に頼ります。
下地が出来ると、塗装業者さんによりパテで、さらに綺麗になるように下地を作り、塗り壁(ダイアトーマス)で仕上げ、完成となります。住まう方のデザインとアイデア、それを実現させる職人さんの技術。 “1/Rのくらし” プロジェクトは、そのような協働作業をつなぐ架け橋のような存在です。
※1/Rのくらし 【あーる ぶんのいち の くらし】
住文舎が提案するライフスタイル 「くらしの中に、自由な曲線を」