油絵が時をつなぐ家。家づくりのテーマは2枚の油絵です。玄関に飾られた絵は、オーナーSさんのお兄様が昔描かれたもの。リビングのものはお父様が描かれたものです。もともとこの地にあった旧住まいでも大事にされていた絵、家を建て直す際にも、この絵をどこに飾るか、とプランの段階から検討していきました。Sさんもこの度額装を交換し、完成間近の日にお持ちいただきました。
この絵があることで、空間に、華やかさ、優しさ、息づかい、不思議な「気」が宿りました。家は新しくなりましたが、絵のバトンで、家歴がつながったような気分です。2021年5月完成です。
当社では施工ごとに、オーナーさまの声と、施工紹介、および完成までの過程の3つの情報を整理しております。
ぜひゆっくりと完成までの経緯をご覧ください。
玄関ドアを開けると正面に見える絵。この壁に天井からの照明があたり、廊下灯を兼ねています。
玄関ポーチから続く青いタイル。外部は斜め45度にタイルを貼り、室内で家と並行に戻して貼りました。
玄関横にある小さなベンチ。ちょっと座り、手すりをつかまり立ち上がれるようになっています。角の手すりは、塗り壁の角欠け防止の役割もあります。
このベンチは座面が蓋になっており、収納になっています。
LDKの中心にあるキッチン。キッチンに立つと各部屋を見渡すことができます。奥は食品庫とミニ書斎。ホルツオーダーメイドキッチンと、白いボーダータイルの組み合わせ。背面はアクセントとして白いブリックタイルになっています。
書斎にある小さな窓からは、インナーテラスが見えます。この窓も開けることができます。
キッチンから玄関ホール側を見る。その奥に見えるのが玄関横にある洋室。
LDの角にあるもう一枚の絵。ピクチャーライトは部屋のあかりにもなっています。手前の照明はヤコブセンランプ。パインの薄い板でシェードがつくられています。こちらはダイニングテーブルを照らします。
ピクチャーライトと対角線にあるもう一つの照明。こちらはルイスポールセン、VLリングクラウンウォール。乳白色のガラス、独特のあかりです。
ブラケット部分は真ちゅうの基材で出来ています。ランプそのものの経年変化が楽しめる一品です。
LDK全景。壁は全てダイアトーマス塗り壁。コテで仕上げています。天井は同じものを吹き付け。メインの壁はシルクグレイというグレーと薄青が混ざったような落ち着いた色です。床はパイン材ブラウン色。木部はほどんどがオスモによるグレー塗装です。
化粧梁で囲われた部分のみ、天井を15㎝上げ、変化をつけています。
LDの照明は、ピクチャーライト、ウォールランプとダイニングペンダントのみ。少し暗めですが、あかりは必要に応じて足していってもよい、というSさんの考え方に共感し出来上がりました。
リビングからはインナーバルコニーへと続きます。玄関同様、こちらの床も青いタイル。リビング床とは浅い段差のため、部屋の延長空間のように感じられます。
水回りにつながる1/Rの下がり壁。奥は今回初採用のダイアトーマス塗り壁「ルージュ」色。アクセントカラーです。この色にもSさんのこだわりが。(その理由は後日ご紹介します)
室内の扉は全てアルダー材で出来ています。大きな節のある、木の扉らしい材です。
トイレの中にある造作手洗い。信楽焼のボウルです。
造作サニタリー。カウンターは人造大理石の石目柄。鏡は一枚の固定鏡。鏡の上とカウンターの奥に照明を入れ、部屋全体を明るくしています。下のキャビネットや扉も、他の木部と同じ色で仕上げ、統一感をだしています。
正面外観。石粒が吹かれたジンカリウム鋼板の緑の屋根。屋根の鼻先や雨どいも緑で統一。外壁はカルクファサードというスイス漆喰で仕上げています。北東角地ですが、家は南と西に寄せてレイアウトしているため、全体が俯瞰できるような外観となりました。正面は道路との境界を示すためにも、石組みと季節の花が咲く植栽を設けています。
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